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15分でわかるiPS細胞!?

12月10日に、京都大学の山中伸弥教授のノーベル医学・生理学賞受賞式が行われましたね。

iPS細胞とは何でしょうか。

iPS細胞の知識がまったくと言ってよいほど無かったので調べることにしました。
「ビックリするほどiPS細胞がわかる本」(北條元治著、ソフトバンククリエイティブ)
「iPS細胞がわかる本」(独立行政法人科学技術振興機構(JST)日本科学未来館著、PHP研究所)
ウィキペディア
などの記述を引用しながら、まとめてみたいと思います。

iPS細胞(induced pluripotent stem cell)は、人工多能性幹細胞のことで、万能細胞(多能性幹細胞)の1つです。万能細胞とは、あらゆる細胞に変化できて、傷も治すことができる能力(多分化能)と、変化しても細胞分裂を行うことで自分自身のコピーを生み出し、その万能性を失わない能力(自己複製能)を併せ持っている細胞です。万能細胞は、いわば幹細胞(臓器を修復する能力を持つ特別な細胞)の王様であり、その代表的なものに受精卵があります。また、iPS細胞が登場するまでに受精卵以外で着目されていた万能細胞に、ES細胞(胚性幹細胞)があります。ヒトの体は、約60兆個の細胞が集まってできているそうですが、最初はたった1個の受精卵という細胞だったわけで、その万能性ゆえに多数の臓器を持つヒトが今存在しているわけです。

山中教授らは、レトロウィルスというウィルスの力を借りて繊維芽細胞と呼ばれる皮膚細胞に4種類の遺伝子(いわゆる山中因子、ヤマナカファクター:Oct3/4、Sox2、Klf4、c-Myc)を人工的に組み込み、細胞の初期化(リプログラミング)をするによって、万能細胞であるES細胞のような多分化能と自己複製能を持った細胞の作製に成功しました。これがiPS細胞です。皮膚細胞は、受精卵から分化した表皮幹細胞(皮膚を修復する能力を持つ特別な細胞)が作った体細胞ですが、幹細胞やそれが作った体細胞から万能細胞を作製することはそれまでできませんでした。しかし、山中教授らがそれを実現しました。患者自身の体細胞からiPS細胞を作製できれば、例えば人間と豚とのキメラ(混合動物)を臓器工場として拒絶反応のない組織や臓器を作製でき、それを移植できるようになるのです。再生医療(細胞を用い、臓器を細胞レベルでコピーする医療)が現実のものとなる日が遠い将来ではなくなったといえます。

ヒトの体を構成する60兆個の細胞は、実は等しく万能の体の設計図(=遺伝子←DNAという鎖状の物質に保存されている)を持っているそうです。遺伝子が保存されているDNAは、ヒストンというタンパク質にぐるぐると巻きついており、そのヒストンにアセチル基を付けてアセチル化すると、DNAの巻きつきがゆるんだ状態となります。イメージとして、例えば上記の表皮幹細胞のDNAは、皮膚の部分だけカギが外されて巻きつきがゆるんだ状態で、逆に皮膚の部分以外にはカギがかけられて巻きつきがきつい状態です(エピジェネティクス)。この場合、表皮幹細胞は皮膚しか作ることができません。一方、万能細胞たるiPS細胞は、いわばそのカギを人工的に全部外して、すべてのDNAの巻きつきをゆるんだ状態にすることに成功した細胞ということになります。

ここで、ES細胞(胚性幹細胞、embryonic stem cell)について考えたいと思います。ES細胞も万能細胞であり、1998年に米国ウィスコンシン大学のジェームズ・トムソン教授らが作製しました。ならば、ES細胞で十分ではないかという疑問が浮かぶわけです。しかし、ES細胞は、その作製過程に倫理上の重大な欠点が存在します。
ES細胞は、受精卵が胚盤胞と呼ばれる段階にまで発生したところで取り出し、フィーダー細胞 (feeder cell) という下敷きとなる細胞と一緒に培養をすることで作製されます。
このように、ES細胞は作製にあたり受精卵を材料として用い、人間のもと(生命の萌芽)の受精卵を壊して得られるため、倫理的に問題があるとされるのです。

この点、iPS細胞の作製過程は受精卵を材料とすることはなく、体細胞を材料として初期化しますから、上記ES細胞の倫理的な問題は生じません。受精卵を壊すことなく万能細胞を作製したいという山中教授の願望がiPS細胞開発のきっかけになったと言われており、iPS細胞の作製成功はまさにその願望がかなったわけで、しかもそれが世界中の人々にメリットをもたらしてくれます。

ところで、iPS細胞は、実はがんの研究とも非常に密接な関係があります。というのも、iPS細胞は当初がん遺伝子(c-Myc)を山中因子の1つとして導入し作製され、そのiPS細胞を移植したマウスの3分の1にがんができたからです。2011年に、がん遺伝子を使わずに作製することに成功していますが、そもそも、iPS細胞にせよ、ES細胞にせよ、生体外で万能細胞を増殖させ続けると遺伝子異常が生じ、がん化する可能性があるのだそうで、まだその安全性の問題は解決に至っていません。
しかし逆に考えると、この異常に対し、iPS細胞作製過程の初期化技術を応用できれば、がん細胞を正常に戻し、根本的な治療ができるといわれているようです。

ちなみに、iPS細胞のiを敢えて小文字にしたのが、アップル社の「iPod」にあやかったという話は、有名な話ですよね?!笑

以上になりますが、この投稿を読んで興味が湧いた方は、「ビックリするほどiPS細胞がわかる本」(北條元治著、ソフトバンククリエイティブ)や「iPS細胞がわかる本」(独立行政法人科学技術振興機構(JST)日本科学未来館著、PHP研究所)」をぜひ購入して読んでみてください。とてもためになる本でした。また、下記関連サイトも閲覧してみましょう。

関連サイト
京都大学 iPS細胞研究所 CiRA(サイラ)
文部科学省 iPS細胞等研究ネットワーク

iPS細胞関連の主な取り組み(2012年11月28日日経新聞朝刊、証券コード加筆)
☆試薬の販売
リプロセル、和光純薬工業、タカラバイオ<4974>

☆画像解析
ニコン<7731>、大日本印刷<7912>

☆培養装置
日立製作所<6501>、島津製作所<7701>、パナソニックヘルスケア

☆創薬への利用
大日本住友製薬<4506>、エーザイ<4523>、武田薬品工業<4502>など

この他にも、いわゆるiPS関連銘柄はたくさんあります。

2014年1月2日追記
リプロセルは2013年6月26日に上場しました。→リプロセル<4978>                       

           
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